激動!会計士#9
Photo:MR.Cole_Photographer/gettyimages

新型コロナウイルスの感染拡大によって業績が悪化した企業で、不正会計のリスクが高まりつつある。そんな中でPwCあらた監査法人は、不正の現場を経験できるVR(仮想現実)研修を開発した。目的は、リアルな監査の現場で不正を疑う力を会計士に発揮してもらうことにある。特集『激動!会計士』(全12回)の#9では、最新のVR研修を記者が体験した。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

PwCあらた監査法人がVR研修を開発
不正会計の現場を仮想現実で体験

 2005年のカネボウに始まり、11年のオリンパス、15年の東芝――。思い起こすと、監査法人にも厳しい処分が下った、日本の平成経済史に残る巨額の不正会計事件は、約5年ごとに起きている。

 東芝事件の発覚から5年が経過した。サイクルの節目を迎えた日本に、不吉な前兆らしき災禍が訪れている。言わずもがな、新型コロナウイルス感染症だ。

研修を受ける田上
記者がVR研修を体験した。VRゴーグル、イヤフォン、そしてマスクの完全装備により、外界との接触が全て遮断された。 Photo by Takeshi Shigeishi

 業績を少しでも良く見せたいという気の迷いが、粉飾を誘引するのではないか――。多くの企業が通期決算を迎える3月末を控え、監査法人に警戒ムードが漂う。粉飾を看過しないために問われるのが、監査を担う会計士の手腕だ。

 そんな中、四大監査法人の一角であるPwCあらた監査法人が、会計士を鍛えるための画期的な研修ツールを生み出したという。なんとVR(仮想現実)映像を用い、企業が不正を働く現場を物語形式で疑似体験させるというのだ。

 いったいどのような中身なのだろうか。ダイヤモンド編集部記者がVRゴーグルを装着して、不正が起きる瞬間の企業に飛び込んでみた。