激動!会計士#4Photo:RichLegg/gettyimages

全国3万人超の公認会計士は四大監査法人だけでなく、準大手や中小規模の事務所にも所属する。いずれも主たる売り上げは監査証明業務収入だが、企業数が増えない限り成長は見込めない。特集『激動!会計士』(全12回)の#4では、それぞれが課題を抱える台所事情を分析した。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)

大手から中小まで全国254の監査法人
業界が抱える三つの課題をあぶり出す

 監査法人とは、公認会計士の独占業務である会計監査を行うための法人だ。公認会計士が5人以上集まれば設立でき、日本公認会計士協会によれば昨年末時点で日本国内に254の監査法人が存在する。

 数千人の会計士が所属する四大監査法人は、大企業へのIFRS(国際会計基準)の導入支援など非監査業務も行うが、準大手以下の大半の監査法人は、クライアントから受け取る監査報酬が主たる収入だ。クライアントは企業だけでなく、学校法人や公益団体など多岐にわたる。

 では、東証上場企業をクライアントに持つ監査法人は一体どれほど存在するのか――。ダイヤモンド編集部が調べたところ、104の監査法人や監査事務所が存在した。それを報酬額が多い順に並べたのが、次ページに掲げたランキングである。

 実はこのランキングには、業界が抱える三つの構造的な課題が内在している。具体的に見ていこう。