密かに官公庁が多い北大
名大はトヨタグループが存在感

 まず、北大で1位となったのは北海道大学。2位には北海道大学病院が入った。3位が札幌市役所、4位は北海道庁と、1〜4位まで地元の大学や自治体が占めた。6位には前年1位のニトリが入っており、地元志向の強さがうかがえる。同率12位には国土交通省、同率17位に裁判所と財務省が入っており、官公庁を目指す学生も多いようだ。

*20年は大学側に聞いた就職企業別の人数を基に算出しているが、19年は企業側に聞いた大学別の採用人数を基に算出したため、19年のデータには就職先として大学や大学附属病院、自治体などが含まれていなかった。

 東北大の1位は東北大学病院、2位が東北大学、3位が東北電力と、こちらも地元に就職する学生が多い。同率4位に日本製鉄、同率11位にJFEスチールが入っており、鉄鋼メーカーが多いのも特徴的だ。

 筑波大も1位筑波大学附属病院、2位筑波大学と、大学関連団体に進む学生が多い。つくばに研究拠点を置く産業技術総合研究所が同率6位に入っている。TOP20を見渡すと、電機、IT、通信、半導体メーカー、運輸、自動車メーカーなど、さまざまな業種に卒業生を送り出している。

 名大は前年に続き今年もデンソーが1位、トヨタ自動車が2位となった。そのほか、アイシン精機(同率4位)、豊田自動織機(同率8位)、トヨタ車体(同率14位)と、地元であるトヨタグループへの就職者がやはり多い。

 大阪大は20年もパナソニックが1位となった。2位以下は、三井住友銀行、三菱電機、ダイキン工業、富士通、関西電力と、前年から順位の変動はあれど、顔触れは変わっていない。

 神戸大は主要国立大学で唯一、メガバンクが1位に輝いた。三井住友銀行が前年の3位からジャンプアップして1位を獲得。前年1位のパナソニックは5位に後退した。大阪大ではランキングに自治体が一つも入らなかったが、神戸大では神戸市役所や兵庫県庁などの役所がランクインした。

 九大は九州大学病院が断トツ。九州大学が2位に続く。前年1位の九州電力が3位、前年8位の福岡銀行が5位、福岡県が4位にランクインしており、TOP5全てが地元の企業・団体で占められた。福岡市や福岡県など、地元自治体への就職も多い。

 主要国立大の就職先は、前年に続いて今年も「地元志向」が非常に強い結果となった。

主要国立大「就職先企業・団体」ランキング2020!【全20位・完全版】