税理士サバイバル#7Photo:AndreyPopov/gettyimages

税理士業界にクラウドとRPAの大波が押し寄せている。この波にのまれるか、それとも乗りこなすかは、税理士にとって生死を分ける最も大きな要素だと言っていい。特集『税理士サバイバル』(全10回)の#7では、RPAを自社開発するなど業界最先端を行く税理士法人ベリーベストの業務改革をレポートするとともに、熾烈な競争を繰り広げるクラウド会計ソフト会社の思惑も解説する。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

時間も気力もない税理士の現実
業界注目!ベリーベストの「改革」とは

 税理士は税の専門知識を持った経営コンサルタントとして、中小企業の経営者のパートナーであるべきだ――。

 これは税理士であれば誰もが一度は思い描く理想像だ。しかし、現実は理想から懸け離れている。

 毎月、顧客から大量に送られてくる領収書や伝票の束と格闘し、事務所スタッフによる人海戦術で帳簿を作成。決算書や税務申告書作成の時期になれば、深夜まで目を皿のようにしてミスがないかチェック。業界内のほとんどの税理士は膨大な経理データに溺れ、経営コンサルティングなど、やっている時間も気力も持てないのが現実だ。

 だが、そんな現実から抜け出す算段をつけた税理士法人もある。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を自ら開発し、わずかワンクリックで税務申告書の作成を可能とした税理士法人ベリーベストだ。

 彼らは一体、どのように改革を成し遂げたのか。