2月13日夜に起きた地震で福島県と宮城県では震度6強が観測された。筆者が住む東京でも不気味な揺れが長く続いた。10年前の東日本大震災を思い出した人は多かったのではないかと思われる。
日本は大きな自然災害のリスクに常にさらされている。それを前提にすると、財政のレジリエンスは極めて重要だと今回あらためて感じられた。レジリエンスとは強いストレスに対する回復力、抵抗力、柔軟性といった意味である。
日本政府の債務残高の名目国内総生産(GDP)比は従来世界一だったが、昨年来の新型コロナウイルス禍対応で一層拡大した。国際通貨基金(IMF)の昨年10月時点の推計では、2020年の同比率は266%(米国は131%、先進国の単純平均は82%)。第3次補正予算も考慮すると日本の同比率は約270%にもなる。
こういった中で南海トラフ地震などの大規模災害が発生したら、日本の政府債務は突出してすさまじく大きいものになってしまう。さらにわが国は人口減少という問題も抱えている。