月百円前後の負担で長期にわたり
高額な保障を得られる先進医療特約
2000万円――。
現在、保険業界で最も販売競争が厳しい保険商品は終身医療保険であろう。特に保険ショップにおける販売競争は激しく、各保険会社は自社の販売シェアを増やすべく、保険料の引き下げや保障範囲の拡大に鎬を削っている。
そうした終身医療保険において、ほぼ全ての保険商品に共通して用意されているオプション保障が「先進医療特約」である。月100円前後の負担で長期間にわたって高額な保障を得られる先進医療特約は、お客さまにとって非常に魅力的であり、今では終身医療保険になくてはならないオプション保障となった。
冒頭の数字は、この先進医療特約における一般的な支払限度額である。
先進医療とは?
日本の公的医療保険制度において、保険診療の対象になる治療と対象にならない治療を併用する混合診療は、原則として認められていない。
なぜなら、安全性や有効性等が検証されていない治療が保険診療と併せて実施されることにより、科学的根拠のない特殊な治療が助長される恐れがあるためである。
ただし例外もある。評価療養と患者申出療養、選定療養である。このうち、評価療養と患者申出療養は、将来的に保険診療の対象とすべく今後評価を行っていくものである。一方、選定療養は将来的に保険診療の対象にすることを前提としていない。なじみのある例としては、差額ベッド代や大病院の初診料が挙げられる。
先進医療はかつて高度先進医療と呼ばれていたが、2006年の健康保険法等の改正により先進医療に引き継がれ、評価療養の一つとなった。先進医療を将来的に保険診療の対象にすべきか否かは、臨床試験の結果によって判断され、最終的に厚生労働大臣の承認を得ることで対象になる。
なお、毎月の入り繰りがあるものの、およそ100前後の医療技術が先進医療の対象となっている。対象となる医療技術費用の全額が患者の自己負担となるが、先進医療1回当たりの費用は、数万円程度のものから数百万円もするものまで幅広い。