【教育をアップデートせよ!】#2 研修の完成度は募集ツールの品質次第

保険の研修効果を高める
ポイントは再現性の高さ

 ヒトとモノ…研修効果を高めるにはどちらが大切か?

 前回記事『保険販売優績者の話は成果につながらない?なぜ名選手は名監督になれないのか』では、再現性を担保した研修を構築するためには、ゴールを明確にすることが最も重要であるとお伝えした。

 当たり前のことを改めて述べる必要があるのは、保険業界で開催されている研修にはゴールが不明瞭なものが多いからである。本題に入る前に読者の皆さまへ一つ質問をしたい。ここに同じテーマの二つのセミナーがある場合、参加者にとって効果的なセミナーはどちらだろうか?

●講師の人柄が素晴らしく時間がたつのも忘れるほど話もうまいが、配布された資料が貧弱なセミナー
●配布された資料は図表がふんだんで整理されており理解しやすいが、講師がボソボソ話すセミナー

 セミナーといえば登壇する講師が最も重要と考えられ、「もちろん前者でしょ!」と思われるかもしれないが、実は、後者に軍配が上がる。

 講師を業としている方は「そんなことはない!」と強く否定するかもしれない。私自身も駆け出し講師の頃は、プレゼンテーションのスキルを磨き上げることを最優先に考え、寸分の狂いもなくきれいに話すことを意識していたものである。「配布する資料などなくても研修できます」と調子に乗ることさえあった。

 しかし、人間の記憶力はそう長く持続するものではない。研修終了後、時がたつにつれ講師の話どころか顔さえも覚えていないものだ。一方、資料の方は「モノ」として残っており、完成度の高いものであれば当時の情景すら再現することができる。そこで今回は、再現性のキーとなる「モノ」の重要性についてお伝えしたい。