パナソニック
パナソニックは成長戦略を描けているのか Photo:JIJI

パナソニックが成長路線を描けなくなって久しい。10年後の目指すべき姿として「くらしアップデート」を掲げたが、はっきりとそこへ続く道を描けているとは言い難い。原因はどこにあるのだろうか。パナソニックの課題を探った。(大和証券エクイティ調査部 榮 哲史)

強みが見えないパナソニック

 筆者のような証券アナリストが会社を分析する上で、まず着目するのはその強みだ。会社の沿革や経営理念・ビジョン、業界・市場動向、業界内におけるポジション、競合他社に対する優位性……こうした観点で整理していくのが王道だ。

 強みを整理していくと、おのずとその会社の存在意義が見えてくるものだ。強みが鮮明に浮かび上がる企業は、それだけ市場での価値が高いため、将来的な利益は成長が見込めるし、結果的に株価上昇に結びつく可能性が高い。

 こうした視点で電機・家電メーカーの雄、パナソニックを見てみよう。長期業績を振り返ってみると、営業利益が成長しているとは言い難い(下記図表参照)。これにはさまざまな理由が考えられるが、前述の考え方からすれば、今のパナソニックは強みが明確でない、言い換えれば存在意義がぼやけているといえるのではなかろうか。