外食大再編#5
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外食企業の生命線となる手元資金。コロナ禍で当初、金融機関は融資に柔軟な姿勢を見せていたものの、最近は「追加融資が受けられない」との声が相次いで聞こえてくる。特集『外食大再編』(全8回)の#5では、銀行と外食企業の融資を巡る攻防戦に迫った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

貸倒引当金を例年の2倍に大幅積み増し
短期借入金の増加額トップは、すかいらーく

「2021年3月期の引当金は例年の2倍に積み増さないといけない」――。融資先の企業が倒産するなどして、金融機関が債権を回収できない場合に備えて計上する貸倒引当金。ある大手金融機関のトップは、新型コロナウイルスの感染拡大で危機感を強めている。

 コロナ禍の20年、補助金などの支援策が乱発され、企業に“延命措置”が施されていた。しかし終了する施策も増えており、「倒産や廃業が本格化するのはこれからだ」と気を引き締める業界関係者は多い。

 帝国データバンクによれば、コロナ関連倒産1190件のうち、最も多い業界が飲食店の193件だ(3月23日時点)。全体の約2割を占め、この数は今後も増加するとみられる。

 外食企業側の借金も大きく膨らんでいる。主要外食企業99社の直近決算における短期借入金の総額は約3400億円で、前年同期比で約4.6倍となっている。

 企業別に見ていくと、短期借入金の増加額が最も多かったのは、「ガスト」や「バーミヤン」を運営するすかいらーくホールディングス(HD)だった。20年12月期決算の売上高は前年同期比23.2%減の2884億円で、営業損益は230億円の赤字に転落。直近の短期借入金は1258億円と、前年同期比で約7倍に膨れ上がっている。

 業界内で“財務の優等生”とされていたサイゼリヤも、前年同期の短期借入金は「0円」だったが、100億円の調達を行っている。

 それでも、「借りられるだけまだまし」との声が同業者からは上がる。

 というのも、足元では金融機関の外食企業に対する融資姿勢がシビアになっており、銀行と融資を巡る攻防戦が繰り広げられているからだ。