コロナ禍をきっかけに、これまでの働き方が変わりつつあります。東芝や、みずほフィナンシャルグループなどでも週休3日制などを取り入れ始めていて、今後柔軟な働き方ができる企業は増えそうです。一見良く見えますが、計画的にならなければ給与減により、社会保険や将来の年金などに大きな影響が出ます。一体どれだけ減るのか、月収40万円の40歳会社員を例に見てみましょう。(社会保険労務士 井戸美枝)
週休3日制で給与減、どれだけ損するのか
東芝は、在宅勤務が難しい工場で働く人の一部を対象に、2020年から週休3日制を試験的に導入。みずほフィナンシャルグループ(みずほFG)は、希望すれば週休3日や4日で働ける制度を20年12月から導入しています。航空会社のスカイマークでも、21年春から事務職を対象に週休3日制を導入するとのこと。
加えて、自民党は、正社員らが週休3日制を選択できる制度の政策提言を目指しています。
今後、いわゆる週5日フルタイムで雇用されない正社員が増えるかもしれません。
柔軟な働き方ができるメリットがある一方で、気になるのは、やはり給与です。前述の東芝では、週休3日でも給与は変わりませんが、みずほFGは、週休3日で2割、週休4日で4割の給与が減額されています。
あまり知られていませんが、給与が減少すると、将来受け取る年金をはじめ、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金…といった社会保険の給付にも影響を及ぼします。
では、どの程度の影響があるのでしょうか。月収40万円、40歳、東京都在住の会社員の例で見てみましょう(今回は、みずほFGの週休3日で2割、週休4日で4割の給与が減額という発表を当てはめて想定してみました)。