蒸発した消費、なくなった仕事……。コロナショックからの回復度合いには地域によって格差があり、また課題も地域ごとに異なる。特集『戦慄のK字決算』(全17回)の#5では、消費、雇用、地価の三つの要素を基に全国10エリア別のK字型経済からの回復事情を追った。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
大阪は3度目の緊急事態宣言へ
地域で異なるコロナ禍からの回復
新型コロナウイルスとの戦いの次なる主戦場は大阪だ。
「『まん延防止等重点措置』が適用されて2週間が経過したが、感染者数が過去最多になるなど厳しい状況が続いている。医療の提供体制も極めて厳しい状況だ」
4月19日、大阪府の吉村洋文知事はこう述べ、3度目の緊急事態宣言の発出を政府に要請する方針を明らかにした。4月中旬以降、大阪府では新規感染者数が1日1000人を超す日が相次ぐなど、感染拡大が加速している。
コロナ流行には地域差がある。感染の第1波、第2波は北海道で先行して始まり、年末年始の第3波では東京都の感染者数の急増が目立った。そして第4波は大阪府の感染者の急増を抑え込めるかが目下の焦点になっている。
コロナ禍は消費を蒸発させ、多くの仕事が失われた。そしてコロナショックからの回復度合いには、地域によって“格差”があり、課題も地域ごとに異なる。
そこでダイヤモンド編集部は、消費、雇用、地価の三つの要素を基に全国10エリア別のK字型経済からの回復事情を追った。