列島明暗 都市・地方財界・名門企業#2
Photo by Koyo Yamamoto

新千歳空港など北海道内7空港の民営化。2020年1月にスタートしたものの、離陸直後にコロナ禍拡大という“乱気流”に見舞われている。そして浮上したのが民営化を担う企業連合17社の権力争いだ。とりわけ“東京組”の三菱地所の言動が、地元組からひんしゅくを買っている。特集『列島明暗 都市・地方財界・名門企業』(全15回)の#2では、北海道の空の玄関の舞台裏を追った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

北海道内7空港民営化、いきなり乱気流
国際線の旅客数は4カ月連続で「ゼロ」

「いつ倒れるか分からない。とにかく歯を食いしばって頑張るしかない」――。北海道内7空港一括民営化の陣頭指揮を執る北海道エアポートの蒲生猛社長はこう危機感をあらわにする。

 1月にスタートした新千歳、函館、旭川、釧路、女満別、帯広、稚内の7空港の民営化。北海道の空の玄関を巡る一大プロジェクトが、離陸直後にいきなり乱気流に見舞われている。

 7月の新千歳空港の国内線旅客数は、前年同月比69%減の約58万人。6月の同83%減からは改善したものの、回復というには程遠い。

 より深刻なのは国際線だ。国際線の旅客数は4月から7月までの4カ月間連続で“0人”。2019年8月に国際線ターミナルの大幅リニューアルを終えたばかりにもかかわらず、真新しいターミナルには閑古鳥が鳴いている。

 7空港民営化について、「これまで、“点”でしか捉えられていなかった七つの空港が、一体運用されることで周遊ツアーなど“面”での展開が可能」と地元の旅行業界関係者から期待する声が上がっていた。

 ただ現実的な狙いとしては、もうかっている新千歳の利益によって、他六つの赤字空港を救済することが実態に近い。ところが、“新千歳で稼ぐ”という大前提が、新型コロナウイルスの感染拡大で崩れてしまった。