過去の金融危機の反省から、銀行業界は健全性を高める努力をしてきた。昨年来のコロナ禍では、ためた資本余力を生かして、銀行は企業からの融資要請に応えられるか否かが試されている。特集『戦慄のK字決算』(全17回)の#4では、融資増減率と健全性の二つの観点から、“貸せる銀行”と“貸せない銀行”をあぶり出した。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
融資増減率と自己資本比率で分析
コロナで「貸せる銀行」と「貸せない銀行」
「たとえ債務者区分をランクダウンさせても、企業を支援していく」――。
ある大手銀行首脳は、3月という期末を乗り越える直前に、そんな決意を語っていた。
この発言には、銀行業界が今取り組んでいる、守りと攻めの姿勢がにじみ出ている。