定年前後の過ごし方成功のタネは、これまで社会人として生きてきた歩みの中に落ちている Photo:PIXTA

今年4月より施行された改正「高齢者雇用安定法」。それにより、定年が65歳以上70歳未満に引き上げられるなど、シニア世代の働き方が大きく変わろうとしています。さらに、コロナ禍で新たな生活様式への変化が加速化している中、従来の価値観や常識に縛られていては体も心も長持ちしないでしょう。社会構造が変化している今こそ、自分をすり減らしてしまうそんな日々から自由になるチャンスなのです。そこで今回は、政治・教育ジャーナリストの清水克彦さんの新刊『人生、降りた方がいいことがいっぱいある』(青春出版社)から、定年後の「働き方」との向き合い方を抜粋し紹介します。

自分のアイデンティティと向き合う

 会社員である以上、役員であれヒラ社員であれ、生殺与奪の権は他人に握られています。株主の顔色や上司の機嫌をうかがうのは身を守るためにほかなりません。

 日経BPコンサルティングの「人事評価制度に関する意識調査」(2018年)によると「あなたはお勤め先の人事評価制度に満足していますか」という質問に対し、「満足」と答えた人が37.7%、一方「不満」と答えた人が62.3%でした。

 さらに、「人事評価制度に不満を感じる理由を教えてください(複数回答)」という質問では、次のような回答がみられました。