スイスの金融大手UBSは米ファミリーオフィスのアルケゴス・キャピタル・マネジメント絡みの想定外の損失にもかかわらず、好調な決算を発表した。危機に見舞われたスイスの競合クレディ・スイスと大きく明暗が分かれた。両行は見た目には似ているが、投資家はUBSの優位が続くと期待できそうだ。ウェルスマネジメント事業で世界最大手のUBSは27日、アルケゴスの破綻で7億7400万ドル(約840億円)の損失を被ったことを明らかにし、市場の驚きを誘った。しかし、投資家はこの打撃のために全体像を見失ってはいけない。収入と純利益、運用資産残高は増加し、有形自己資本利益率(ROTE)は年率14%と健全な水準にある。一見するとUBSとクレディ・スイスは似通っている。いずれも、スイスの高収益なユニバーサルバンク(総合金融機関)で、かなりの規模のウェルスマネジメント事業を併せ持つ。ウェルスマネジメント部門は顧客に投資銀行業務や資産運用サービスも提供する。資産総額ではUBSが1兆1000億ドルと、クレディ・スイスの9300億ドルをわずかに上回る。
UBSに遠く及ばないクレディS、アルケゴスで明暗
一見似ているスイス大手銀2行、見逃すべきでない重大な違いも
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