韓国と台湾は先週、いずれも予想を上回る経済成長率を明らかにしたが、両者はかなり似通った状況にある。輸出が活況を呈する一方、内需は不調のままだ。これはすでにいくつかの問題を引き起こしており、この傾向が続けばなお悪化するだろう。韓国の場合、今年1-3月期のモノの輸出は、新型コロナウイルスの感染拡大が起きる前の2019年10-12月期と比べて4.4%増加した。一方、民間消費は同じ基準でマイナス5.5%と低迷が続いている。台湾も同様の経過をたどる。特に好調な電子機器の輸出は前年同期比28.4%増となった。国内総生産(GDP)の8.2%増に寄与した割合では、消費よりも純輸出の方がはるかに大きい。米国や英国のように大幅な貿易赤字が当たり前の国には、うれしい悩みに聞こえるかもしれない。だが、どちらに傾いたとしても不均衡はさまざまな問題を引き起こしかねない。
韓国・台湾のいびつな経済回復に2つのリスク
輸出の成長を過度に重視するマクロ経済政策を進めすぎると、脆弱性が積み上がることは必至
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