ソフトバンクグループは、昨年設立した運用部門「SBノーススター」の規模を縮小する方針だ。同部門は上場ハイテク株に巨額の投資を行っていることから、「ナスダックのクジラ」とも呼ばれる。SBノーススターは米フェイスブックや米アマゾン・ドット・コムなどに投資しており、オプションなどデリバティブ(金融派生商品)取引も活用。ソフトバンク最高経営責任者(CEO)の孫正義氏が自ら200億ドル(約2兆1900億円)の運用を指揮していた時期もある。だが、ソフトバンクの財務報告書によると、SBノーススターは2021年3月期にデリバティブ取引で56億ドル相当を失った。孫氏は12日の投資家向け決算説明会で、SBノーススターの規模を縮小し、代わりにビジョン・ファンド2に資金を振り向ける方針を表明した。説明会の内容を知る関係者が明らかにした。