つまり、イノベーションは、不調和を起こすような「一見、関係なさそうな事柄」が結合(生殖)するときに生まれるとは言えないだろうか。「面白さ」とイノベーションは、引き起こされるメカニズムが同じなのではないか。
さすれば、面白いジョークを考えることが、イノベーションのアイデアにつながるのかもしれない。
なお、本書には、「集団のメンバー同士が笑い合うことで絆が強まる」という進化心理学者ロビン・ダンバーの説も紹介されている。人類は、言語が発達する以前、互いにほほ笑み合うことで「敵ではない」ことを示し、仲間意識を育てていたと考えられているという。現代の職場においても、意識的に「笑い」を取り入れることでチームの共感性が高まり、成果を上げられるようになる可能性がある。
「笑い」にはビジネスを成長させるパワーがあり、侮ることはできない。そのパワーを存分に活用するためにも、本書を参考にしてみてはいかがだろうか。
(情報工場チーフ・エディター 吉川清史)