米国の映画館で上映作品が不足している。一部の劇場では従来ではあり得なかったところから映画を調達している。その調達先とは、動画配信サービス大手ネットフリックスだ。ハリウッドの大手映画製作会社が映画の公開スケジュールを切り詰めたり、作品を自社の配信サービスで公開したりしているため、劇場チェーンでは少なくとも3年間は作品数が不足すると予想されている。一部の劇場チェーンで14日、ザック・スナイダー監督によるネットフリックス映画「アーミー・オブ・ザ・デッド」を配信開始1週間前に公開したのは、こうした事情もあったからだ。映画館とネットフリックスのこの意外な提携は、新型コロナウイルス感染症の影響でハリウッド映画製作会社とその映画を上映する劇場の間で何十年間も続いてきた関係が根底から覆ったことを示している。パンデミックの影響による製作中止や劇場上映からの戦略的撤退で、映画館は数年に及ぶとみられる作品不足に陥っており、ネットフリックスなどの配信サービス会社と、劇場公開後すぐに家庭向け配信ができるような契約を結ばざるを得なくなっている。