芸能界の結婚でも、ハネムーン期間はこれより長い。17日発表された米通信大手AT&T傘下のディスカバリーとワーナーメディアの経営統合計画は、両メディア企業の株主にひとまず好感された。ディスカバリー株は同日、10%高で寄り付いた。ニッチなケーブルコンテンツ企業がたちどころにハリウッドの大手になるとの見通しが買い材料となった。一方、AT&Tはメディア事業に資金を投じることなく本業に専念できるとの観測を背景に、株価が4%近く跳ね上がった。同社のメディア事業は以前から投資家受けが悪かった。蜜月は長続きしなかった。ディスカバリーもAT&Tも程なく下げに転じ、17日の終値は前日を下回った。ディスカバリーは下落に歯止めが掛からず、週末までに12%近く値下がりした。経営統合で見込まれる利点は変わっていないが、リスクがより明らかになったのだ。この入り組んだ案件の結果、一段と大きく、さらなる負債を抱えたディスカバリーとなり、現経営陣によって運営されつつもAT&Tの株主が過半数を所有することになる。しかも統合後の会社が直面するのは、競合が増え、急速に変化するメディア環境だ。一例として、アマゾン・ドット・コムは先週、娯楽大手MGMホールディングスの買収を交渉中と報じられた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は24日、週内にも買収が発表される可能性があると伝えた。