主張の中のある分析が議論の俎上に載せられたとします。

「このα分析の結論はああだったが、こうもとれるのではないか。だとすると、結論は逆になるのではないか」

 結論に関わるのかもしれないのだから、よい指摘です。でもそこに、次の発言者が、我が意を得たりと別の話をしたりします。

「その通りだ。こっちのβ分析もそうだ。この分析だって、とりようによっては……」

 これを、許さないこと。

 まずは、α分析の話がダイジかどうか(結論を左右するのかどうか)確認し、ダイジならそれについて議論し、ちゃんと結論を出しましょう。

 それが終わるまでは決して、β分析の話に移ってはいけません。ましてや、最初の質問に対しての回答がないうちに、さらなる質問(や賛否)を受け付けるのもNGです。あっという間に、しっちゃかめっちゃかになってしまいます。

 これらをちゃんとやるには、強い議長役やファシリテーターが必要です。でも、ちょっとだけみなに嫌われるので覚悟が必要です。

「○○さん、ストップ。勝手にしゃべらないでくださいね~」「△△さん、それ違う話ですよね。まず今の話の決着をつけましょう。その話はその後でやりますから」

 日産自動車は1999年ルノー傘下となり、復活のために多くのチーム(多部門からなるクロス・ファンクショナル・チームなど)を立ち上げました。同時に、1000人もの会議ファシリテーターを養成し(のちには全世界3000人を養成)、これを支えました。

 おそらく、日本で初めての制度でした。