コンパクトな住まいのテレワーク環境(3)
「居心地を損なう関係性」の見直し

 つい最近、「同じ部屋で、夫婦でデスクを並べて仕事している」という方から「オンライン会議中に、マイクが夫の声やくしゃみを拾ってしまうこともあるが、テレワークはそういうものだと思っている。特に不満はない」という話を伺いました。そして、在宅勤務になったことで、業務終了後の家事育児の負担がぐっと楽になり、かえって助かっているという話を聞いて、ハッとさせられました。

 少し前に、別のご家庭で「夫は自室に籠もってずっと仕事をしているけれど、私は夫のランチも作って、帰ってきた子どもの相手もして、かえって大変になった」という嘆きを耳にしたばかりだったからです。

 結局のところ、夫婦のテレワーク環境をポジティブに捉えられるかどうかは、業務の内容や部屋の使い方以上に、夫婦間の信頼関係がものを言うのですね。

「コミュニケーションに支払う適切なコスト」は、ハード面の見直しとともにぜひ振り返っていただきたい点です。

・良い場所を独り占めしていないか
・「家族に気を使わせる」と「家族に気を使う」のバランスが取れているか
・在宅時間とともに増える食事準備、部屋掃除の負担を担えているか

 ON・OFFのスイッチの切り替えが難しいのがテレワークのデメリットですが、長い間なかなか変えられなかったワークライフバランスを見直すチャンスでもあります。つい甘えてしまう方も、つい先回りしていろいろ引き受けてしまう方も、自分と相手の居心地を良くするために一歩踏み込んでコミュニケーションを取ることを意識してみるとよいのではないでしょうか。

 今回はテレワーク環境の改善について解説しました。どうせやるならぜひコスパの良い方法で暮らしの改善にチャレンジしてみてください。

(家族の片づけコンサルタント sea(しー))