(3)日光をあびる

 梅雨の時期、外出を嫌って引きこもりがちになってしまう方も多いかと思いますが、メンタルバランスを整えるには午前中5~15分程度の時間、日光を浴び、セロトニンの分泌を促すことが必要です。曇りや雨の日でも、外出をすれば屋内の倍以上の照度の光を浴びることができます。

 また、セロトニンは目から光を取り込むことで生成が促されると言われていますので、外に出られない時には窓の外をよく眺めるなど工夫をすると良いでしょう。

(4)通常の活動量・活動リズムを保つ

 睡眠時間の変化や活動量の低下、外出頻度の減少などはメンタル不調の原因となります。

 例えば、1日当たりの歩数が4000歩を下回るとメンタル不調のリスクが高まることが分かっています。睡眠時間が6時間を下回ったり、9時間を超えたりするとメンタルに悪影響を及ぼすという調査結果もあり、毎日決まって7~8時間の睡眠を取り続けることが望まれます。

 これはコロナ禍の自粛生活にも同じく言えることですが、外出のできない日にも、規則正しく活動的な生活を送るよう心掛けることが何より大事なことです。これら四つのポイントを心の片隅に置き、梅雨を乗り切っていただければ幸いです。

(監修/池井佑丞医師)

池井佑丞/産業医、株式会社リバランス代表。2008年、医師免許取得。内科、訪問診療に従事する傍らプロ格闘家として活動し、医師/アスリートの2つの立場から「健康」を見つめる。自己の目指すべきものは「病気を治す医療」ではなく、「病気にさせない医療」であると悟り、産業医の道へ進む。労働者の健康管理・企業の健康経営の経験を積み、現在は大手企業の統括産業医のほか数社の産業医として、従業員約1万人の健康を守る。