もちろん、内申点アップに定期テストの点数は大事です。ところが実際には、内申点は、定期テストの点数に比例するようにつくわけではありません。だからこそ、「定期テストの点数がいいのに、なんで内申点がこれしかないの?」「なんであの子のほうがテストの点数が低いのに、内申点が上なの?」ということが起こるのです。

 これは「内申点のつけ方」を誤解しているから起こることです。内申点の上げ方は中学と高校では違います。高校は、テストの点さえよければ内申点も上がります。

 一方、中学で内申点を上げる方法は、定期テストだけではありません。それなのに、テストという一側面だけ切り取って、上がるとか上がらないとかの勝負をしすぎなのです。それって一発勝負の賭けに近い、とても危険な方法だと思いませんか。

 たしかに内申点が4か5ばかりの子なら、定期テストの結果は内申点に直結してきます。ただ、3なのか4なのかのギリギリのラインで戦っているような子には、やれることはまだまだあります。まして1や2が多い子は、内申点アップの可能性はたくさんあるのです。

 また、親が中学生だった昔と今では評価方法も違います。親は結果(テストの点数)を見ますが、内申点は結果ではなく、プロセス(提出物、小テスト、授業態度など日々の頑張り)が大事なのです。

「授業中に手を挙げる積極的な子が内申点に有利」は本当?

「うちの子、積極的じゃないから、やる気がないように見られて損なんです」という声もよく聞きます。授業中に手を挙げるというのは、おとなしい子や引っ込み思案の子にとっては、とてもハードルが高いことです。そのようなお子さんに対して、「もっと手を挙げなさい!」と口で言うのは簡単ですが、言うのもかわいそうになるくらいです。

 どうしたら手を挙げられるようになるのでしょうか。これにはさまざまな方法がありますが、まずは「生活ノート」を使うこと。自信をつけさせるために、学校で毎日担任の先生に提出する「生活ノート(生徒が書く生活日誌のようなもの。学校によって名称は違います)」に、「手を挙げる」ということを文章にさせてあげるのです。