「いい子」にならなくちゃダメ、と思っている親御さんやお子さんは、内申点のつけ方を勘違いしています。

 実際にあった話で、「運動ができないあの子の体育が5で、運動ができるうちの子が3なんて!えこひいきだ!納得がいかない」と先生にクレームをつけた保護者がいたそうです。

 でも、体育では身体能力の高さだけを評価するわけではありません。保健体育の先生用の学習評価に関する参考資料には、「仲間に教えてあげたり、仲間に聞いたりすることを評価する」と「評価基準」がしっかり書いてあります。

 運動能力の高い子は、体育の授業で、いちばん高い跳び箱を跳べればいいのではなく、どうしたら高く跳べるのか仲間に教えてあげる。あるいは、高い跳び箱を跳んでもけがをしないような跳び方を教えてあげる。逆に運動能力の低い子は、どうしたらもっと高く跳べるのかを仲間に質問する。きれいな言葉で言えば、仲間同士が学び合う姿、協調性を先生は評価しているのです。

 このように、内申点は結果ではなく、プロセスを評価するものです。内申点がアップするということは、子どもの「基本的な学ぶための姿勢」が改まり、自ずと親にとって望ましい態度にみるみる変わっていきます。どんな時期からでも、この学ぶ姿勢を身につければ、子どもの“ベスト”な状態まで伸ばすことができるのです。