またマスク氏は、鉱業がより持続可能なエネルギーに移行でき次第、ビットコインの使用停止を解除すると続けており、1取引当たりの消費エネルギーがビットコインの1%未満である、他の暗号通貨の使用も検討している旨を明かした。このように、ビットコインの普及において、環境問題は深刻な課題の一つである。

 なお、その後マスク氏はこの件について再びツイートしている。6月13日、マイニングで使う電力の半分以上が環境負荷が小さいクリーンエネルギーで賄われていることを確認できれば、ビットコインによる車の購入を再開することを示唆。これをきっかけにビットコインの価格は急騰した。

SECがビットコインETFの承認を
却下し続けてきた理由

 ビットコインのETF上場において、これまでにSECは数多くの提案を却下してきた。SECでは詐欺防止規定や投資家の保護を掲げている。なかなかSECによる承認が得られない要因としては、ビットコイン市場の歴史の浅さや市場の不健全さ、価格変動の多さに対する懸念などが挙げられる。

 そのため、投資家に起こり得るリスクが低いと見なされ、ビットコイン取引が健全で公正な取引だと認識されない限り、 現在の頭打ち状態からは到底脱却できない。

 また5月11日には、SECが「ビットコインは非常に投機的な資産である」との文書を公開したばかりだ。現在の状況を打破し、SECから承認を得るためには、マネーロンダリングやテロ資金調達の防止策として顧客情報の共有契約の提示や、ファンドの資産状況を把握するための監査システムの改善、さらには仮想通貨の価格のボラティリティー(変動性)に対処するための定期的な自動リバランスの設定、など、ビットコインの不透明感やリスクの高さを払拭することが、第一の策であるといえる。

仮想通貨の普及における
今後の課題とは?

 仮想通貨の今後の課題は、やはり何よりも信頼性と透明性の確立ではないだろうか。