「電動キックボードの免許不要化」、悪質運転の増加で見直しの可能性電動キックボードを巡り、道路交通法違反などの疑いで警察が相次いで摘発。免許不要にむけた動きもあるが、悪質運転が増加すれば見直しとなる可能性も出そうだ(写真はイメージです) Photo:Robert Alexander/gettyimages

最近、都市部を中心に若者やビジネスパーソンの間で人気の電動キックボードを巡り、道路交通法違反などの疑いで警察が相次いで摘発した。意外に知られていないが、電動キックボードは道交法上、排気量50cc以下の原動機付き自転車(以下、原付きバイク)と同じ扱いで、各都道府県の公安委員会による運転免許が必要。もちろんヘルメット着用(一部地域除く)や自動車損害賠償責任保険(自賠責)加入などが義務づけられ、ナンバープレートも取り付けなければならない。折りたたみが可能な商品などもあり手軽なイメージだが、意外に面倒くさい乗り物なのだ。加えてわが物顔で危険走行する利用者も少なくなく、歩行者からの風当たりも強いため、より安全運転を心掛ける必要がある。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

ひき逃げと無免許運転
電動キックボードで相次ぐ摘発

 最初の事件が起きたのは先月22日午後4時45分ごろ。大阪市中央区難波5丁目の歩道で、住所不定、無職の男A(30)が電動キックボードの前方に知人の20代女性を乗せ、時速約15キロで走行。

 歩行者の女性(48)をはねて首の骨を折る重傷を負わせ、そのまま逃げたとして、翌々日の24日、大阪府警南署に自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された。