メールアドレスだけで登録できるウォレット(仮想通貨の口座)などを経由すると資金の流れをつかまれにくくはなるが、個人情報にひも付いたウォレットしか利用できないようにしようという動きもあるため、「海外取引所なら脱税がバレない」という考え方は禁物だ。

正しく税金を払わなかったら
50%上乗せのペナルティーも!

 わざとではない場合でも、正しく税金を払わなかった人にはペナルティーが課される。朝日新聞の報道によると、17年の仮想通貨バブルの際には、翌年に東京国税局が都内の複数の仮想通貨取引所へ取引データの任意提出を要求。出てきたデータを基に税務調査を行った。そして税務当局は、個人・法人を合わせて総額約100億円の申告漏れを指摘したという。

 税金を適正に支払わなかった場合や申告が必要であるにもかかわらずしなかった場合、通常よりも多く納税しなくてはならない。例えば延滞税の税率は最大で14.6%で、税金を延滞した日数に応じて額が大きくなる。さらに悪質な行為だと認定された場合は、最大50%の重加算税を課されることもあるので、申告と納税はしっかりと行おう。

仮想通貨取引における
有効な「節税対策」とは?

 株式投資に比べて不遇ともいえる仮想通貨取引に関する税制だが、対策がないわけではない。仮想通貨で得た利益が大きい場合に大きな効果を発揮する法人化から、個人のままでも有効な方法まで解説していきたい。