史上最大の買収資金は
宇野亨氏の2億5000万円

 一方、国会議員が選挙違反の罪に問われ、実刑判決が確定したのは、79年の衆院選旧千葉2区で当選した宇野亨氏(故人)のケースぐらいだ。2億5000万円の買収資金が用意され、逮捕者は300人以上。永田町では現在も「史上最大の金権選挙」と言われる。

 84年に懲役4年の実刑が確定したが、持病で入院し、検察側も収監見送りと刑の執行停止を決定。結局、恩赦で服役しなかった。

 これとは別に、判決が確定しなかったケースもある。98年には中島洋次郎元衆院議員(故人)が96年衆院選に買収資金として2000万円を配布したとして、公選法違反の罪などに問われ、東京地裁で懲役2年6カ月、東京高裁で懲役2年の実刑判決を受けた。

 もっとも、受託収賄や詐欺、政党助成法違反、政治資金規正法違反の罪にも問われていたから、選挙違反だけで実刑となったわけではない。最高裁に上告し最終結審前の01年、自宅で自殺した。

 ほか、最近では03年11月の衆院選で、初当選した2人が相次いで公選法違反の罪で起訴されたケースがある。比例東海ブロックの近藤浩氏と埼玉8区の新井正則氏だ。近藤氏は懲役2年、執行猶予5年、新井氏は懲役3年、執行猶予5年の判決を受け、実刑は回避された。