痛風の原因「尿酸」を増やすのは
プリン体だけではない

 そもそも、痛風とは、体内で処理できなくなった「尿酸」が関節などに蓄積することで結晶となり炎症を起こす病気だ。この結晶となった尿酸が激痛の原因となっている。

 ここで出てくるのが、よく耳にする「プリン体」だ。プリン体が体内で分解されると尿酸ができるので、よく、「痛風防止のためにプリン体を多く含むレバーやあん肝などの食材やビールなどの飲料を控えよう」などといわれている。

 このように、長いこと“痛風発作=プリン体悪玉説”が浸透してきたが、最近の痛風治療では、「プリン体が原因であることは変わらないが、プリン体を多く含む食材、飲料を控えれば、必ずしも防げるというものではない」という見解も出てきている。

 なぜなら、食事などを通して体外から取り入れられるプリン体は、体内のプリン体全体のうち、2~3割にすぎないだからだ。残りの7~8割は食事に関係なく、体内で生成される。つまり、いくらレバーやビールを控えても、その行動が影響を与えるのは体内の全プリン体の多くて三割で、制御に限界があることがわかる。

 つい最近まで、いや今でも痛風予備軍の男性陣の間では、“痛風が怖いからビールはやめて、プリン体が少ない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を飲もう”という認識が存在する。

 だが、実はアルコール自体が尿酸生成を促進することが確認されている。アルコール度数が高ければ、尿酸も多く生成される傾向にある。つまり、焼酎は安心だいってとビールよりもアルコール度数が高い焼酎をガバガバ飲んでいると、かえって痛風発作リスクが高まることもあり得るわけだ。