入院中は「健康合宿」に近い
無会話の空間で過ごす
ただし、病室内は会話がなく、挨拶すらなかった(最終日以外はカーテンで仕切られているので最低限のプライバシーは守られる)。そんな無会話空間が苦手な人には苦行かもしれない。
著者の場合は、ベッド脇にあるテレビ台(テレビは置かれていない)にパソコンを設置して、メリハリをつけるために振動で知らせるストップウオッチで時間を縛りながら、ひたすら原稿を書いていたので、まったく暇だと感じることなく過ごせた。
ちなみに、食事は提供される弁当のみ。水は飲み放題だが、水以外のコーヒーなどは飲めない。むろん、アルコール、たばこもダメである。ちょっとした「健康合宿」といったところだろうか。
治験募集の会社スタッフによると、言葉はやや不適切ではあるが、2泊3日くらいの短期入院治験が最もコスパに優れ、次が中期、さらに長期、通院タイプの順でコスパは落ちていくそうだ。
著者は通院タイプにも2年前に参加したことがあるが、服用したサプリメントが本物か、ただの栄養剤かは教えてもらえなかった(効果を比較するため半分の被験者は本物、もう半分は偽薬を服用する)。
治験情報は、募集会社へ登録していれば、条件に合いそうな案件がメールで紹介されるので、興味があればのぞいてみてはどうだろうか。
元々、治験入院者には健康な学生が多かったそうだ。しかし、コロナ禍の現在、リモートワークできる社会人の比率が増えているとのこと。なかには、説明会だけを巡る“交通費稼ぎ”もいるそうだ。これ自体はルール違反ではない。その場で現金をもらえるアルバイトといった感覚で行っているのだろう。
(筑前サンミゲル/5時から作家塾®)