日本では右折を禁止すべき?「左折を制限せよ」という米国の研究が話題BUSÀ PHOTOGRAPHYGetty Images

この記事をざっくり説明すると…

・左折禁止の交差点を設けることで、交通状況に良い変化がもたらされるという研究結果が示されました。
・交通事故の多くが、交通量の多い交差点における自動車の左折が原因で起きているという現状があります。
・左折を規制する交差点を設けている都市は、すでに複数存在しています。

 政府統計の総合窓口「e-Stat」によると、2020年の日本の交通事故死者数は2839人。統計開始以来、最少の数字となり、史上初めて3000人を下回りました。車両技術の革新など、新たな取り組みが急ピッチで進められていますが、それでもなお、交通事故による死者数がゼロになることはありません。

「左折を制限してみては?」という提言

 そのような中、 アメリカから興味深い研究結果が届きました。それは、交通量の多い交差点で左折を禁止することで、「ずっと安全な道路が生まれる」という研究結果です。つまり、日本の交通法規で言うところの「右折を禁止にしてはどうか?」というものになります

 アメリカ国内でクルマを運転する人々にとって、左折こそが最も危険なタイミングの1つと言われています。「交差点で発生する事故の約61%が左折時に起きている」という統計結果もあるくらいですので…。

 ここで1つ疑問が湧いてきます。そもそもなぜ、左折時に事故の可能性が高まるのでしょうか? それは、交通の自然な流れに逆らう行為だからであり、また、対向車が直進しようとする車線への侵入を伴う行為であるからにほかなりません。