ほめるときに大切なのは
「中身の具体性」より、まず「タイミング」

 人をほめようとしても、どうほめたらいいのかわからず、そのタイミングを逃してしまう人もいます。

 たしかに、「何か裏(魂胆)があると思われるのではないか」とか、「ほめたつもりが嫌味にとられやしないか」と思うと、どうほめたらいいのかあれこれ考えてしまいます。すると、タイミングを逃すことになります。あるいは、次第に面倒だと思い、「まあいいか」と流してしまうこともあるかもしれません。

 しかし、難しく考えることはありません。素直に、あなたが感じたことを短く話せばいいだけなのです。人はほめられると、たとえそれがお世辞とわかっていても、たいていはうれしく感じるものなのですから。

 むしろ、話が長いほうが、「どうも裏があるのでは」と勘繰られやすくなります。

 あなたは、「仕事が早いから助かるよ!」と言われて嫌な気持ちにはならないでしょう?

 おだてられているとわかっていても、怒り出す人はいないでしょう?

 もちろん、ほめられて「もっと具体的にどこがどうよかったのかな」と思う人もいます。そんなときは、「どこがどうよかったですか?」と聞き返されてから答えればいいのです。

 また、人をほめるときに「何をほめるか」「どうほめるか」も大切ですが、「いつほめるか」というのも非常に大切なポイントです。

 ほめ言葉は、「いい!」と感じたときにすぐに発することが大切です。部下が成果を上げたとき、部下がほめてほしいと思っているとき、そして本人が伝えたいと思ったときにすかさずほめてこそ、最高のインパクトがあるのです。