現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
34万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)
「理不尽」に耐えられるか?
――仕事をする上で、20代のうちは実績がありません。どんなことをすればいいですか?
ひろゆき氏:まず、自分のタイプを見極めるといいと思います。年上の人の言うことを従順に聞けるか、反抗して歯向かってしまうか。そのどちらかで、やるべきことは変わります。
従順なタイプなら、組織に入って理不尽に耐えましょう。20代のうちには「我慢していればいいことがある」と信じてよいと思います。報われないこともあるかもしれませんが、おおむね、ちゃんとやっておいて間違いないでしょう。時間が経ってから「こういうことだったのか」と、遅れて理解できることもたくさんありますからね。
反抗するタイプなら、早めに1人で仕事できるようにシフトしましょう。資格をとったり、手に職をつけましょう。無理して組織にいるべきではありません。海外に行くこともも選択肢に入れたほうがいいと思います。たとえば、アメリカでは「先輩の言うことは絶対だ」というような考えは皆無です。非体育会系の人は、とても居心地が良いでしょう。
実績がないときのポイント
――なるほど。どちらのタイプにせよ、実績がないのは共通していますよね。
ひろゆき氏:そうですね。だから、無能な人ほど、大企業や有名企業に行くことがおすすめなんですよね。最初は「看板」で仕事することができますから。日本人はブランドに弱いですからね。
大企業などに入れなくても、1つだけ、それを乗り越える方法があります。
――なんでしょう?
ひろゆき氏:どんなことでも「できます!」と言っちゃうことです。大風呂敷を広げてしまうのです。実績がない個人や企業に対して、「こんなことできますか?」と無理難題をふっかけられることがあります。「それは難しいですね……」と正直に答えてしまうと、相手に断る言い訳を与えてしまいます。
「どうせ無理だろう」と思って言ってくることに対して、「できます!」と堂々と返すことができれば、1つチャンスができます。あとは、それを間に合わせるために、商品を用意したり、仕事をこなせばいいのです。
1回目のチャンスをモノにするためには、多少の犠牲があってもよいでしょう。20代だったら、1週間くらい徹夜が続いても大丈夫でしょうし、外注して売上を減らしてでも仕事を成功させることを選んだほうが、後々、トクをするでしょう。
――既成事実を作ってしまうんですね。
ひろゆき氏:そうです。多くのベンチャー企業は、初期はそれをやってのし上がっていますよ。ビル・ゲイツ氏でさえ、マイクロソフトを創業した頃は、IBMからの無理難題をこなしたと言いますから。
実績のない20代は、チャンスしかありませんよ。やってみて失敗しても、ダメで元々ですから。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。