的外れな「就活アドバイス」で子どもの信頼を失う親たちのリアル親として子の就活をどう見守り、何をアドバイスすればいいのか。悩む人は少なくないだろう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2023年卒の就職活動が始まっている。口出しし過ぎるべきではないとわかっていても、親(保護者)としては、子の就職活動が心配にならないはずがない。親として子の就職活動をどう見守り、何をアドバイスすればいいのか。人気企業の採用から育成までを支援し、就活生の親向けのセミナー経験も豊富なダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、子の就活を成功させるための親の関わり方について、プロの視点でアドバイスする。

「不適切な質問」をしていない?
子どもの就活にどう関わればいいのか

 就活生の親(保護者)は子の就職活動にどのように関わればいいのか――。私はこれまで多くの親を実際に見てきた経験から、彼らがこれからお話する「就」「活」「生」の3つのポイントを外さなければ、お子さんの就職活動は必ず成功すると考えています。今回はその「就」についてお話します。

「就」とは何か。まず親がすべきなのは、「就職活動の実態をきちんと知ること」です。親がいくら現役でバリバリ働いていようが、彼らは今の就活の事情を知りません。特に今年は、コロナ禍でのオンライン就活が始まって2年目です。学生自身にしか、今の状況は知りようがないのです。

 親が就活中の子に対して行う不適切な質問としては、「企業訪問、どのくらい回っているの?」「インターンシップに参加するのが近道らしいけれど、ちゃんと参加しているの?」といったものがあります。コロナ禍のご時世では、特に大手企業ほどリモートワークを徹底しており社員が出社しているとは限らないので、OBにアポイントをとって企業訪問するという状況ではありません。

 企業訪問などそもそもできないので、この質問は的外れです。新聞やニュースで聞きかじった「インターンシップは内定に有利らしい」といった断片的な情報だけをたよりに聞いてみても、インターンシップの夏、秋、冬の時期や選考倍率、流れ、文系・理系の違い、実際に何をするのかなどを何も知らないわけですから、子にしてみれば「適当なことを簡単に言わないでほしい」と思うでしょう。