就活生が陥る「内定」の落とし穴、知ると差がつくコロナ2年目の採用裏事情内定には「ささやき」「励まし」「本内定」の3種類があることをご存じだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2022年卒業予定の学生の就職活動が佳境にさしかかる中、2023年卒就活も始まりつつある。コロナ2年目の今年、企業はどのように動くのか。就活生はどのように準備をすべきなのか。人気企業の採用から育成までを支援するダイヤモンド・ヒューマンリソースの採用コンサルタント・福重敦士氏が、2022年卒の就職活動と採用活動を企業側の視点も踏まえて総括し、2023年卒向け就職活動の必勝法、内定を出す企業の心理の読み方を伝授する。

2022年卒の就職活動は最終段階へ
実際の「内定ピーク」とは

 5月中旬から6月上旬にかけて、2022年卒の就職活動、採用活動が終盤にさしかかっています。この時期は最終面接のラッシュ、内定のピークとなります。6月1日に選考活動が正式に解禁され、内定を言葉で伝える企業が出始めます。

 経団連が定める就活ルール(採用選考に関する指針)はなくなりましたが、政府主導に移ってからも従来と同様のルールが存続しており、大手有名企業は、自分たちからそれを公に破ることはしません。

 企業は6月1日の選考解禁以降に学生に「内定」とはっきり言葉にして伝えたり、文書やメールに残る形で内定を伝えたりすることになります。企業にとっては、この日から内定式が行われる10月1日までの約4カ月間、内定を出した学生の入社の意志が覆らないよう、彼らをフォローしなければなりません。

 実際には、6月下旬には大手企業の22年卒採用がほぼ終了し、早くも23年卒向けの広報活動が始まります。22年卒の就職活動はコロナで状況が読めない中、焦る企業が例年より早く動いているという傾向が見て取れます。