新型コロナウイルスの感染拡大で多くの企業が打撃を受け、倒産事情も激変した。そこでダイヤモンド編集部は上場企業3787社の「倒産危険度(Zスコア)」を総点検。リスクの高い493社をあぶり出した。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』(全23回)の#9では、倒産危険度ランキングのワースト401~493位を紹介する。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
CM減で苦境の民放キー局で唯一
フジが403位にランクイン
401~493位の顔触れを見ていくと、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた外食を含む小売業が9社と最も多く、百貨店大手の三越伊勢丹ホールディングス(408位)やエイチ・ツー・オー リテイリング(437位)といった名門企業の存在も目立つ。
こうした中で、高年収や華やかさで就活生には人気の民放キー局が1社ランクインした。フジテレビを擁するフジ・メディア・ホールディングスが403位になったのだ。
コロナ禍の経済悪化や自粛ムードは、広告出稿の低下につながり、民放にも大きな打撃を与えた。
日本民間放送連盟のまとめによれば、地上波193社の2020年度の売上高は総額で前年度比11.7%減の1兆9863億円。経常利益は同22.9%減の974億円と減収減益だった。
民放キー局5社を売上高の規模で並べると、フジが5199億円、日本テレビホールディングスが3913億円、TBSホールディングスが3256億円、テレビ朝日ホールディングスが2645億円、テレビ東京ホールディングスが1390億円(いずれも21年3月期)の順になる。そしてこの5社は共に減収減益である。
なぜ民放キー局で唯一フジだけが“危険水域”と判定されたのか。