賢人100人に聞く!日本の未来#25

海外の動画配信サービスが軒並み業績を上げている。米Netflixは今年4~6月期の売上高を伸ばし、有料会員数も2億人目前だ。さらに、昨年から米ディズニーも配信事業をスタートし、競争は激化している。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#25では、海外のサービスに対し、日本の配信サービス、そしてテレビ局はどう戦うのか、またタレント独立のトレンドについてUUUM顧問で米国在住の鳩山玲人氏に聞いた。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

高まる動画配信サービス需要
コロナで激変!コンテンツ制作と供給

――コロナ自粛の影響もあり、動画配信サービスのユーザー数が軒並み増えています。

 去年、Netflixは年間2800万人、会員が増えました。でも今年は上半期だけで2600万人増で、成長著しいです。非常に大きいパワーがコンテンツプラットフォームに流れていて、特に今年1~6月で加速しています。ディズニープラスもローンチされたのが去年の11月ですが、既に会員数が6000万人を超えました。

――コンテンツプラットフォームの動きはコロナで変わりましたか?

 コロナで変わったわけではなくて、今までのモバイルシフトやプラットフォーマーが提供するコンテンツへのシフトがより強く鮮明に出てきました。

 強いて言うとすれば、コンテンツ供給・コンテンツ制作は少し変わりました。例えば、映画会社。映画館で公開できないから、プラットフォームでの公開が選ばれるわけです。だから、プラットフォームがコンテンツを獲得しやすくなりました。さらに、テレビ制作も変わりました。ドラマが止まりましたよね。一方、Netflixはシーズンを一気に見られる。制作が終わったものが多いからです。しかもその制作費は年1兆円超で、一年間コンテンツの在庫に困らないというのは大きいですね。

――コロナが終わってもこの潮流は変わらないですか?

 そうですね。影響が大きいのはコンテンツが集まる仕組みです。

 プラットフォームにコンテンツが流れることに対して、スタジオやテレビ関係者の驚きは小さくなってきているので、より会員数が多いプラットフォームに作品が流れるという動きは変えられないでしょう。

日本作品を海外勢が獲得するメリットは少ない
テレビ局は自らのポジショニングが課題

――日本の配信サービスはどう戦っていますか?