コロナ禍で市場環境が激変した13業界について、それぞれ倒産危険度ランキングを作成した。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』(全23回)の#8では、自動車関連業界を取り上げる。26社が“危険水域”に入り、3位に三菱自動車、2位に日産自動車と大手が上位にランクインした。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
王者トヨタ自動車との格差が鮮明に
大減益の日産が2位、三菱自が3位
王者トヨタ自動車の“1強”ぶりがますます盤石になりつつある自動車業界。新型コロナウイルスの感染拡大で受けたダメージからの回復度合いに“格差”がつき始めている。
日本自動車工業会のデータベースによれば、1度目の緊急事態宣言が発令された2020年4~6月期の乗用車の新車販売台数(国内、四輪)は前年同期比33%減の67.7万台と大幅に落ち込んだ。ところが秋以降は一転して回復基調に。20年10~12月期は同15%増の99万台、21年1~3月期も同4%増の119万台と前年同期比でプラスに転じた。
北米など海外市場も昨秋以降に需要が回復。21年3月期のトヨタの決算は販売台数が前期比14.6%減の764.6万台と減ったこともあって減収にはなったものの、最終利益は同10.3%増の2兆2452億円と増益を確保した。
一方でトヨタと比べて回復の波に乗れなかった企業の苦戦ぶりは際立つ。日産自動車の21年3月期の最終損益は、前年よりも赤字幅は縮小したものの、4486億円の赤字と苦境が継続。三菱自動車は最終赤字が3123億円へと膨れ上がった。
今回の倒産危険度ランキングでは、自動車・自動車部品業界は前回の9社を大幅に上回る26社が“危険水域”と判定された。そして、これらの巨額赤字が原因となり、日産が2位、三菱自が3位にランクインした。
二極化が鮮明になっている自動車関連業界の、26社の顔触れを見ていこう。