中国の習近平国家主席は、内部にいくつかの矛盾を抱えており、それが指導力の結束性や効果を大きく損なっている。習氏の信念と行動の間や、中国を超大国にしたいという公の宣言と国内の統治者としての姿勢の間には矛盾がある。このような内部矛盾は、米中の対立が深まる中でおのずと露呈した。この対立の中心にあるのは、この2国家が正反対の統治システムを代表しているという現実だ。米国は、個人の自由を守ることが政府の役割である民主的で開かれた社会を支持している。習氏は、毛沢東が優れた組織形態を発明し、それを自分が継承していると考えている。その形態とは、個人が一党制に従属する全体主義的な閉ざされた社会だ。それが優れていると考える理由は、より規律があり、強力なため、必ず競争に勝てるとの見方にある。