尹氏が今の妻、キム・ゴニ氏と結婚したのは2012年、52歳の時とされる。キム氏は文化芸術作品の展示企画会社を経営するが、19年にあった展示会で企業から不当な協賛を受けたとする疑惑(主催したのはメディア企業だったなどとして不起訴となった)や、それより前の10~11年、株価操作に関与(関与した会社にお金を貸したとされだが、不起訴処分)したとされる問題について、検察は昨年の暮れに再捜査を開始、今なお続いている状況だ。

 義理の母は7月2日、1審公判で有罪判決を受け拘束された。これらの疑惑は結婚前の話だったため、今のところ支持率への影響はほとんどないとみられるが、大統領選期間中は、相手陣営からの攻撃の材料にされ、尹氏を悩ませるものとみられる。

保守層の一部からは「戦犯」視
候補者一本化となれば政権交代も

 さらに尹氏に対しては、保守系の有権者の中には反感を覚える人も少なくない。

 検事総長時代に、朴槿恵(パク・クネ)前大統領や李明博(イ・ミョンバク)元大統領、サムスン電子の李在鎔副会長や朴政権の200人近くの高官を拘束、起訴した尹氏を、保守勢力を壊滅状態に陥れた「一級戦犯」とみている人もいる。

 それでも支持率1位をキープしている背景には、政権交代を望む保守系有権者にとって他に選択肢がないからだ。

 野党内には、尹氏の支持率が急失速したり、出馬を断念したりした場合には、文政権の「法治破壊に憤慨した」として監査院長をやめ入党し大統領選に出馬した崔在亨氏に期待をかける人々もいる。

 野党が12月までに候補者の一本化に成功すれば、政権交代の可能性は十分あるのではないか。

日韓関係、李氏は文氏以上に「反日」
尹氏は「日本との協力」掲げる

 次期大統領で日韓関係は変わるのかどうか。

 今のところ、与党の李在明氏も野党の尹氏も日本との関係改善や過去の歴史問題、対外政策については明確なメッセージは出していない。