東日本大震災の記憶が根強い宮城県と福島県が1、2位写真:ケスイダ@/PIXT

 SDGs「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」は、2015年9月の国連サミットで採択された17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されている。

 その目標の中でも、気候変動とその影響に対する取り組みに関心が高まっている。

 このランキングは、ブランド総合研究所が今年5月に行った『第3回地域版SDGs調査2021』によるもの。同調査ではSDGsで掲げる17の目標について、どれほど課題を感じているか、各都道府県の住民へのアンケートを行っている。その中から、SDGsの13番目の目標とされている「気候変動に具体的な対策を」の、とりわけ「自然災害(地震・津波・台風・竜巻等)」について、「不満や課題」を感じている人の割合を47都道府県別で高い順にランキング、「自然災害に関心の高い都道府県ランキング」として紹介する。

 今回の調査では、SDGs17目標に関して48項目にわたって尋ねた。全都道府県の合計では、48項目の中で課題と感じている人が最も多いのは「少子・高齢化」で30.4%、次に「人口減少・過疎化」で30.1%、続いて「感染症対策」(23.5%)、「商店街の疲弊・店舗の減少」(21.4%)で、今回紹介する「自然災害(地震・津波・台風・竜巻等)」に課題を感じている人の割合は、全体でも5番目に多い16.7%だった。ちなみに、同じ「気候変動」でも「温暖化、異常気象(猛暑・冷害・豪雪等)」に課題を感じている人は、11.5%で11位だった。

※調査を行ったのはブランド総合研究所。アンケートは全国の男女約450万人の調査モニターの中から15歳以上を対象に、2021年5月1日~5日にかけてインターネットで調査を実施した。各都道府県の住民それぞれ350人ずつ回収し、調査時点で移転などの理由によりその地域に居住していない人を除く計1万6300人の有効回答を得た(回答時点で各都道府県に居住していない人は「無効回答」とし、集計から除いた)。
「(あなたが居住する)都道府県において不満や課題(取り組むべきこと)があれば、いくつでもお選びください」という設問に対し、「定収入・低賃金」「ストレス」「就職難」など、48項目(「その他」「課題はない」を加えて50項目)を示し、該当するものをすべて選んでもらった(複数回答可)。

1位は宮城県
震災の被災地が上位に

「自然災害に関心の高い都道府県ランキング」1位は宮城県(36.6%)、続いて福島県(30.0%)、熊本県(27.9%)と震災の被災地が上位を占めた。逆に最も少なかったのは前年と同じく富山県(5.5%)で、続いて滋賀県(7.9%)、奈良県(8.4%)と続いた。

「上位3県は地震の影響が考えられるが、宮城県は津波、福島県は原発事故と対象となるものは異なる。また、今後想定される南海トラフ巨大地震への恐怖心が強い県が上位にランクインしていることも特徴的だ」と田中章雄・ブランド総合研究所社長。