最初の不調は、腸にきた。「もともとおなかが弱いタイプでしたが、ますますおなかの調子が崩れがちになりました」と上山医師。

 そのうちに食が細くなり、「BMI(ボディマス指数:体重kg÷身長m÷身長m)」は15と、不健康に痩せていった。そうすると筋肉や骨密度も落ち、エネルギー維持が難しくなり、簡単にエネルギーになるものを欲するようになったという。具体的には、チョコレートやコーヒーだ。

「カフェインや糖質をとって、血糖値を維持しようとしていたのだと思います」

 確かにカフェインや糖質をとると、一時的に血糖値は上がる。ただその反動で急に下がるため、「血糖値の変動が精神的なバランスを崩し、仕事中には頑張れるけれども、休日はぐったりして動けなくなるなど、テンションが上がったり下がったりを繰り返していました」。当時の様子を上山医師は「すぐに充電がなくなるスマホのようだった」と言う。

 さらに外食生活を続けると、次第に肌の調子も悪くなり、髪や爪の元気もなくなり、あちこちわかりやすいところに不調が出るようになった。そして極め付きが、帯状疱疹(たいじょうほうしん)だ。

「ちょうど1年たつ頃に、生まれて初めて帯状疱疹を発症しました。免疫力が低下したときに出るものなので、疲れ切っていたのでしょう。その時点で自分なりに納得できたので、約1年かけた365日外食生活の実験を終了することにしました。私は意図的に外食生活をつづけたので不調を自覚しやすかったのですが、多くの人はじわじわと悪影響を受けるため自覚しづらく、その積み重ねが慢性疾患につながるのだなと改めて実感しました」