Gさん一家の場合
投資と現金の比率はいくらが最適?

 ここからは、三つの相談のうちの残り一つ、「投資」に絡めて老後の資産形成についてお答えします。

 Gさん一家の場合、資産の多くを現預金で持っており、去年頭からiDeCoやNISA,積立投資を開始したものの、まだ現金比率が高いと感じています。

 現在保有する資産4250万円の内訳は、金融資産2650万円、貯蓄積み立て額1600万円となっています。

 また、確定拠出年金の200万円も定期預金、または保険商品で運用されているなら金融資産でよいですが、投資信託で運用されているなら貯蓄積み立て額に回すべきです。

 推測では確定拠出年金は投資信託で運用していると思われるので貯蓄積立額に移動させ、貯蓄額は2450万円、投資額は1800万円となります。その割合は貯蓄約58%、投資約42%です。

 Gさん夫婦の年齢、保有する金融資産額などからリスク許容度を考えれば、投資の割合をもう少し増やしても良いように感じられますが、今後のライフプランを考慮すれば現状の割合か、最大でも50対50を上限として貯蓄と投資の割合は考えるべきでしょう。

 投資の上限を50%としたのは、Gさんが転職して収入が減少することが予想されていること、子どもを授かった場合はGさんが産休・育休を取ることが近い将来に起こりえるからです。ライフプランやキャッシュフローに大きな変化があるときには、リスクを抑える行動を取るのが基本になります。

 Gさんご夫婦も近い将来に大きな変化が見込まれるのですから、基本は現状維持。少し先を見据えるのであれば最大50対50としたわけです。長期・積立・分散を基本として、ご夫婦でiDeCo、つみたてNISAを中心に資産形成を行っていくと良いと思います。、iDeCoやつみたてNISAの積立上限額を上回る部分は、通常の投資信託で積立投資を行いましょう。

 そのときに選ぶ投資信託は、上場インデックスファンド海外先進国株式 (MSCIコクサイ連動)のような世界の株式を投資対象とするインデックスファンドをベースにすると良いでしょう。Gさんは不動産投資に懐疑的なようですから、資産形成は自分が信じられる商品で時間をかけてコツコツ行っていきましょう。

(ファイナンシャルプランナー 深野康彦)