食べながら仕事って効果的?
基本的に「ながら仕事」は集中力を低下させます。厳密に言うと仕事に使うべき脳への血流を低下させます。
また、原則的に、人間は同時に2つのことをできません。
「ながら仕事」が可能になる例外は「反射的な行為」、または「目をつぶってでもできる行為」の場合です。
歩きながらものを考えることが可能なのは、歩くのが人間にとって目をつぶってでもできるほど慣れた行為だからです。一方、全力で走りながらものを考えることはできません。足の筋肉に血流が大量に流れ、ものを考える脳には血流は維持量程度しか流れません。
では、食事をしながらの仕事は可能なのでしょうか? また、効率的なのでしょうか?
私はおすすめしません。その理由は目をつぶってでもできる行為ではないからです。でも口をモグモグ動かすことは目をつぶってでもできる、と言う人もいるかもしれません。
お弁当を例に取りましょう。フタを開けて、箸やフォークを使って食べ物をつかみ、こぼさないように口まで持ってきて、箸を汚さないように元に戻す。このようなすべてが「食べる」という行為です。かなり神経を使う行為があり、その都度、仕事への集中力の小休止が必要となります。
デスクの上が汚れたり、シャツにソースが飛んだりするとさらに気を使います。弁当を食べた後はゴミを捨てるために席を立つ必要があるかもしれません。おまけに、食べ物を体の中に入れると消化管の血流が増えるのは間違いありません。その分、脳への血流が相対的に減ってしまい、集中力は落ちやすくなります。
お弁当だけでなく、片手で食べられるスナックや固形状の栄養補給食品も同じです。封を開けたり、こぼれないように注意したり、ゴミを片づけたり、といろいろな作業が増えるのです。
やはり仕事中は、何も食べずに目の前の仕事に集中したほうがよいと思います。