寝苦しい熱帯夜が続くと睡眠不足になり、仕事中にうとうとしがち。夜ぐっすり眠れるのが一番良いのですが、これには食事が影響を及ぼしています。
食事をすると体が熱くなるのはご存じの通り。飲酒も同じです。体が熱いと寝付きが悪くなりますから、寝る直前の食事や飲酒は控えましょう。また、内臓が働いていることも安眠を妨げる要因です。昼間の居眠りを防ぐためには、夕食を取る時間も大切なポイントとなります。
昼食後眠くなる理由の一つに、脾胃(消化機能)の働きが弱くなっていることが考えられます。毎日のように眠気に襲われる方は、メニューを見直し消化のよい食品を取るようにしましょう。胃が重いと感じている方は、胃に負担をかけないおかゆをお薦めします。
薬膳では、脾胃の働きが悪い場合は「脾の気」が不足しているのも原因の一つと考えます。脾の気を養うものには山芋、カボチャ、ジャガイモ、キャベツ、米などがあります。積極的に食べるようにしましょう。
消化のよい大麦(丸麦タイプ)と米を組み合わせた麦とろは、すりおろした山芋を味噌汁でのばしているので、糖質を代謝する際に必要なビタミンB群も含まれています。喉越しがいいので流し込んでしまいがちですが、よくかんで食べることが脾胃を養生することになります。
眠気に襲われたときには、5分眠るだけでも頭がすっきりします。可能な環境であればお勧めです。
なお、食事に気を付けても改善されない場合は、医療機関で検査を受けましょう。
撮影/中川真理子
●脾の気を養う 麦とろご飯
材料(2人分):
米1合、丸麦大さじ4、水1合と大さじ6、山芋150g、味噌大さじ2、だし1カップ、万能ネギ(小口切り)小さじ2
作り方:
(1)米はといで水気を切る。丸麦はといで30分ほど水に浸し水気を切る。
(2)鍋に(1)を入れて混ぜ、分量の水を加えて炊く。
(3)山芋は皮をこそげてすりおろし、味噌を加えて混ぜ、だしを少しずつ加えて溶きのばす。
(4)(2)を器に盛り、(3)をかけて万能ネギを載せる。