要因2 家庭学習の質の高さを保障する取り組み

 家庭学習について考えるとき、通塾率との関係にも着目する必要がある。児童・生徒質問紙を見ると、秋田県の子どもの通塾率は全国的に見てたいへん低い。

秋田県の子どもの学力が「13年間連続トップクラス」なワケ

 秋田県は、学習塾の先生や家庭教師に「教わっていない」と答えた割合が、小学校では全国でもっとも高く、中学校では全国で3番目の高さだった。

 そういう中でも秋田県の子どもたちは、家庭学習を充実させている。それを実現しているのが「家庭学習ノート」だ。

 まず先生の助言を受けながら、自分で家庭学習の計画を立てる。その時、復習・予習のほか、自分で発展的に学習したいことも盛り込む。その計画に基づき「家庭学習ノート」を使って家庭学習を行う。そのノートを翌日、先生に提出すると、先生は帰りまでにそれを確認して赤ペンでコメントをして返してくれる。先生の赤ペンを励みに子どもは家庭学習を改善していく。つまり、先生が子どもたちに家庭学習の具体的な方法を丁寧に指導することで、家庭学習の習慣化を形作っている。

 その成果として、秋田県の子どもたちの多くは、自分で計画を立てて家庭学習を進める習慣が身に付いている。

 次の学校質問紙、児童・生徒質問紙、それぞれの質問について、秋田県は全国でもっとも高い値だった。

秋田県の子どもの学力が「13年間連続トップクラス」なワケ

 子どもの家庭学習を充実させたい場合は、先生に相談し家庭学習の計画立案などについて助言してもらうとよい。また、毎日でなくても家庭学習のノートを先生に見てもらい、赤字のコメントを入れてくれるようにお願いすることは、可能であろう。