そこで「問いの3ステップ」に沿って、差し戻しなく、顧客の要望に応える資料を提出する流れを見てみましょう。

(1)まず状況をちゃんと見る=問いで本質をつかむ

 たとえば相手から「資料がほしい」とオーダーされても、参考程度に必要なのか、何らかの判断をするために必要なのかで資料の中身も違ってきます。

 相手がそれを必要としている背景、つまり仕事の本質をつかむために「5W1H」(後述)の問いを活用します。

質問例
「その資料をどこで使うのですか?」(Where)
「その資料は、何のために使うのですか?」(Why)

(2)仮説を問いのかたちで立てる

 顧客に提出する資料に関して「どんな内容が必要ですか?」と聞いても「そこは任せるよ」という回答しか返ってこないことがあります。具体的な状況や目的がわからなければ、一体何が資料の重要なポイントかがわかりません。そんなときは、仮説を問いのかたちで立てることで、相手の背景や本質に迫ることができます。

 たとえば、これまでの流れなどから「相手は社内会議で検討するために資料を必要としているのでは?」「それなら比較用の画像やデータがあったほうが会議が通りやすいのでは?」という仮説を立ててみるのです。

(3)仮説を検証する

 仮説をもとにして「他社との比較データがあったほうがよいでしょうか?」という問いを立てると、案外ずばりと「うちは客観的なデータがないと会議を通らないからそこは外さないでもらえると助かるよ」という「答え」が引き出せたりするものです。

 このように仮説を検証する問いができると、仕事が差し戻しになるというロスを減らしていくことができます。

 この3ステップは、仕事における「問い」の基本です。