男性の貧血はさらに要注意!

 さて、男性の場合はどうでしょうか。

 男性の貧血は、ほとんどの場合「何か異常がある」ので絶対に放置してはいけません。

 男性の鉄欠乏性貧血を見つけたら、まず「胃カメラ」「大腸カメラ」を行います。男性の貧血の原因には「胃がん」や「大腸がん」からの出血が多いからです。がんからの出血によってヘモグロビンの数値がじわじわ低下していき、健康診断のタイミングで貧血として見つかることがあります。

 がんの他にも胃潰瘍(いかいよう)や十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)といった可能性もあり、放置してはいけません。

 男女問わずヘモグロビンが10を切っていたら必ず受診しましょう。

 受診する科としては、女性なら婦人科、男性なら消化器内科と覚えておいてください(男女ともに一般内科でも可)。

 ヘモグロビンは重篤な病気の「危険信号」を通知する重要な指標です。必ず毎年の健康診断でチェックするようにしましょう。

(本原稿は、森勇磨著『40歳からの予防医学 医者が教える「病気にならない知識と習慣74」』を編集・抜粋したものです)

【出典】
※1 Pamela E Warner,et al. Menorrhagia I: measured blood loss, clinical features, and outcome in women with heavy periods: a survey with follow up data. Am J Obstet Gynecol . 2004 May;190(5):1216 23.