世界の紛争地図 すごい読み方Photo:PIXTA

今、世界は対立や紛争にあふれている。米中の覇権争い、シリア内戦、イラン核問題、アフガニスタン、イスラム過激派テロ、台湾の緊張や北朝鮮核ミサイルなど、キナ臭さは高まる一方だ。この緊迫した世界情勢を解説した新刊書『世界の紛争地図 すごい読み方』からの一部抜粋で、世界各地の対立と紛争の背景をわかりやすくコンパクトに伝えていく。今回は、今年2月に起きた国軍によるクーデーターから、いまも混乱が続くミャンマー問題について解説する。

国軍のクーデターで内戦勃発、
政治・経済が完全に麻痺

「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、日本企業の進出も増えているミャンマーだが、最近は内戦とロヒンギャ族の難民問題で揺れに揺れている。

 そもそもミャンマーは、天然ガスなどの天然資源に恵まれ、5000万以上の人口を有する国。第二次世界大戦後、長らく軍政下に置かれていたため先進国との交流があまりなく、「秘境」のような存在とみなされていたが、民主化が進んだことでそのポテンシャルに注目が集まり、情勢が悪化するまでは外国からの投資や企業進出が増えていた。

 歴史を遡ると、ミャンマーが軍事政権から民政に移管したのは2011年のことだった。アウン・サン・スー・チー氏率いるNLD(国民民主連盟)が前年の総選挙をボイコットしていたため、軍の色が濃い政権になったが、その政権の下で経済などの民主化が進み、ミャンマーは大きく発展した。